ねにもつタイプ
絶対、読んだら面白いだろうし、読むべきなんだけど、と思いつつ手を出さなかった岸本佐知子さんの「ねにもつタイプ」。
先日、鍼医の待ち時間に入った本屋で結局、買ってしまいました。
いやー、面白い。
噂どおり、天才だ、この人は。
身近な、ありふれた出来事、たとえば子どもの頃愛用していた毛布だとか、目の中のゴミといったことから飛躍して、とんでもないところに結びつける。この人の手にかかると、平凡な日常もたちまちスペクタクルな、あるいは面白おかしい出来事へと変貌する。
頭の中を覗いてみたくなるような豊かなイマジネーション、芸としか言いようの無い、オチのつけ方のうまさ。
なにより文章がいい。突飛な語彙は使わないのに、ひとつひとつの言葉使いが粒だっている。
久々に上質の日本語の文章を読んだ、という気にさせられた。
って、なんとなくわかっていたから読みたくなかったんだけど。
才能のある人っていうのは、いるんだよね、ほんとに。
ただの読者としたら、こういう才能に会えたことを喜びたいし、即、本屋に走って岸本さん関係の本を買い漁りたいところだが、同じもの書きの端くれとしては、打ちのめされます。
小説でなく、エッセイなら大丈夫かも、と油断したのは失敗でした。3日ばかり落ち込みました。
まあ、天才と比べても仕方ないんで復活しましたけど、今の小説を書き終わるまで、岸本さんの本は読むまいと堅く決意をしたことでした。


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