産む機械

柳沢厚相の発言をめぐって野党がいろいろ責任追求してますけど。

これも、見ていてしらけるなと思うのは、追求している野党の男性議員の顔見てると、
「あんただって、本音は似たようなもんでしょ」
と突っ込みたくなるから。これくらいのこと、思ってるオヤジはたくさんいる。それくらい、あたりまえに、女性蔑視は日本の社会に浸透している。

「女性で年上の部下なんてやりにくい」
と言った上司は、当時、30代前半だった。
「ブスの言うことは聞くつもりないけど、美人の言う言葉なら耳を傾ける」
と言った中小企業の社長(当時、40代後半)もいたっけな。ちなみに、ブスというのは、私のことだ。

こういうことを言った本人たちは、まったく悪気なく、差別意識もないのだろう。彼らはいかにもなセクハラオヤジではなく、むしろ普通の、女性に理解のありそうなタイプだったりするのだ(いかにもなセクハラオヤジは当然ながら、もっとひどい)。だけど、どうかした時に、ひょいと本音が出る。むしろ差別意識を持っていない男の方が珍しい、と私は思っている。
だからねえ、「産む機械」発言くらいじゃ、驚きませんよ。そんなうかつな人が、厚生労働大臣やってることはどうかと思うけどね。

だから、柳沢批判は茶番にしか見えない。
それに国会で意識の問題を追及しても、しょうがないんだよ。そんなの、いくらでもごまかしようがあるし。無意識に差別をしている人間の方が問題なんだから。

結局、こんな社会だから少子化は止まらないんだよ。
むしろ、このままだったら少子化が進んだ方がいいんじゃないの。私は子どもふたり生んだ「健全」(嫌味です)な女性ですが、今の若い人が子どもを持つのを躊躇する気持ちはとてもよくわかる。だんだん子どもを育てるのが困難な社会になっている感じがする。少子化が進んだ方が、こうした女性たちの気持ちに配慮することに、もっと男たちが真剣になるんじゃないの、と思う今日この頃。

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自己管理

最近のニュースを見て気になったこと。労働政策審議会の分科会のメンバーである奥谷禮子氏の「過労死は自己管理の問題」という発言。
奥谷さんはとても立派なキャリアを持っていらして、社会の第1線で活躍なさっているから、職場の現実というのをご存知ないのだろうな、と思う。

バブルがはじけてから、企業はどこも効率重視。人件費を減らすのが大命題なのだ。ぎりぎりまで人員を削減し、成果主義という言葉でそれを正当化する。無茶な要求を労働者に押し付ける。それを拒否すると、左遷や退職、あるいは職場いじめにあうことも。
能力があれば仕事も速くこなせるし、残業も減るはずなんて大嘘で、仕事が速くできればそれだけ多くの仕事を押し付けられる。
職場の現実って、そういうものだ。

私自身、猛烈な仕事量を強いられていた時期がある。担当は雑誌なのに、文庫もやり、ムックの制作もやっていた。雑誌以外の仕事の方が多かったくらいだ。子どもも小さいのに、平日の夜や休日に自宅でサービス残業が当たり前。たまりかねて「ほかの人に代わってください」と上司に言ったことも何度かある。
しかし、上司の答えは「君しかできないんだから、やってくれ」。
当の上司や同僚(のごく一部)もすごく量をこなしていたから自分だけペースを落とすのは難しかった。また私自身は契約社員だったから立場も弱いし、昇格を餌にされているわけで、結局は拒否できなかった。
そんなもんですよ、職場って言うのは。まあ、私のいた会社はとくに厳しかったみたいだけど、周りの友人に聞いても、すごく珍しいケースというわけでもないんですね。

過労死する人は好き好んでそうなるわけではない。誰がそんなことで死にたいか。過労死までいかなくても、仕事の重圧から心を病むケースもどれだけ増えていることか。自己管理で仕事量が調節できるなら、そうしますよ。そうできない現実がある。過労死するほどの仕事を強いられる状況がある。それを変えないで、ホワイトカラー・エクゼンプションなんて馬鹿な制度を導入したらどうなるか。サービス残業が増え、さらには過労死が増え、しかしそれが過労死として浮き上がってこない、経営者にとってのみ都合のいい状態になるだけでしょう。まあ、奥谷さんにしても、結局は経営者なわけですから、自分にとって都合のいい発言をされるのは至極当然なのかもしれませんけど。

せめてそういう現実がわかっている人間を労働政策審議会のメンバーにしてほしいですね。教育問題にしても、現場を知らない人間の理想論とか建前論でものごとが決まっている気がしてしょうがない。最近はニュースを見るたびに気が滅入ります。

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