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読書の効用

自分で出来る分の直しは終わった。
あとは編集者からの返事待ち。この期間が一番、落ち着きません。また、直しが入るかもしれないので、今まで書いていた作品のテンションを自分の中に残さなきゃいけないし。だけど、さすがに半年以上、同じ作品世界に浸っていたので、そろそろ次に移りたくもあるし。

そんな宙ぶらりんな気持ちだけど、ようやく人の作品も読めるような感じにはなってはいる。書いている作品がある意味、完全に自分のものになったので、ほかの作品に触れても今なら影響されないってことでしょうか。
昨日、久々に読書。小川洋子さんの「凍りついた香り」。小川さんの作品は好きなので、ばらばらと読んでいて、たまたまこれはどこかで買って、書棚に置きっぱなしになっていたもの。自分の書くものとは全然、違うものが読みたかったんですね、きっと。
久しぶりの読書は気持ちよかったなあ。小川さんの作品特有の静謐な雰囲気というのがとてもよく出た作品で、読んでいる間、心穏やかになれました。
自分の中にあって、だけど普段は出てこないような感情とか意識が浮かび上がってくる、あるいは増幅される、それが読書の効用だと私は思う。小川さんの本というのは、本当に繊細な、知的な、感覚的な何かを呼び覚ますところがあって、それが押し付けがましい形ではなく、内省的な形で問い掛けられる。そういうところが、すごく好き。

まあ、自分との差を考えると絶望的になるんですけどね。でも、そういうものだからこそ、読んでみたいと思うアンビバレンツもあったりするわけで。まあ、そんなわけで、しばらくは読書三昧になるでしょう。

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